河原の橋の下、ダンと修行中のさくら。

ダン:「お前は踏ん張りが足りん!」

突然腕を組み偉そうに言い放つダン。

さくら:「どいういこと?」

また始まったと半ばあきれ顔のさくら。

ダン:「もっと、こうだなぁ・・・」

上手く言葉に出来ず天を仰ぐ。

ダン:「つまり・・・、ケツの穴を締めろって事だ!」

これだ!と、会心のどや顔。

さくら:「え~?・・・いやらしいよ、ヒビキさん」

顔を赤らめ横目でダンを見る。

ダン:「ばっ、馬鹿野郎!そういうことじゃなくてだなぁ・・・」

さくらの想定外の反応にあせるダン。
こちらも視線を外し咳払いをひとつ。

ダン:「ゴホン、これは格闘家として基本中の基本なんだぞ!」

さくら:「ふ~ん、じゃあ、やってみるから教えて」

横を向いたダンの顔を覗き込むように顔を近づけるさくら。

ダン:「お、おう・・・」

さくらから漂ってくる修行で流した汗と体臭の混ざり合った
甘い香りにダンの下半身がピクリと反応してしまう。

ダン:「よ、よし!それじゃあ、修行をつけてやる!」

ダンの頭を邪な考えがよぎる。
辺りを見回し人通りを確認すると

ダン:「この修行はテントの中で行う!」

自分が日頃寝泊まりしているテントを指さす。

さくら:「えー?!あそこで~?ここじゃ出来ないの?」

ダン:「ん?あ、ああ、これは秘密の特訓だからな。
     人目に付いちゃいかん」

しどろもどろになりながらもなんとか平静を装う。

さくら:「・・・そうなんだ、分かった」

一瞬何かを考えるそぶりを見せたが、
素直なさくらはそう言ってテントに向かう。

 

ダンのテントの中。

男の一人暮らしに使われているテント、
お世辞にもキレイとは言えない。その狭い空間に二人っきり。

さくら:「ヒビキさん、すごく狭いんだけど。それにかなり臭うよ」

しゃがみ込んで鼻をつまみ率直な感想を述べるさくら。

ダン:「き、気にするな!すぐ慣れる!」

さくらに対して意識し過ぎなダンは声を上ずらせ
自分に言い聞かせるように言い放った。

さくら:「・・・それで、どうすればいいの?」

さくらに促され我に返る。

ダン:「よ、よし、まずはそこに仰向けになれ」

そこはダンが普段寝ている布団。
さくらがダンと布団を交互に見て無言の抗議をしてくる。

ダン:「文句を言うな!」

言ってないけどと小声でつぶやきながら
さくらは言われた通り横になる。

むせ返るような男臭さが身体にまとわりついてくる。

さくら:「これじゃあ足が伸ばせないよ・・・」

さくらが言い終わらないうちにダンがさくらの足をつかみ
上に引き上げた。



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